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ラヴクラフト全集〈5〉 (創元推理文庫)

 ラヴ全5巻ですよ、っと。
 今巻では、後にオーガスト・ダーレスによって作られるクトゥルフ神話の母体となった作品を中心に収録されているそうです。
 まぁ、ラヴクラフト自身の作品を読んでいるとクトゥルフ神話が別物すぎてなんとも言えない気持ちになるのですが。アレはアレで面白いので混同して考えるのはやめましょう。そんなわけで三作品ほど。



【ナイアルラトホテップ】
 みんな大好き這いよる混沌さんが作品タイトルになりました。どんな活躍を見せてくれるのかと期待して本を開くものの、そのページ数僅か6ページ。薄い本より薄いな・・
 ラヴクラフトが見た夢をそのまま作品化したらしく、エジプトのファラオのような人間の姿をとった混沌さんは作中でも『ナイアルラトホテップ』と呼ばれている。夢をそのまま文字に起こしたせいか、些か場面の移り変わりが唐突で、後書の作品解題
にも書かれているが散文的だった。


【死体蘇生者ハーバード・ウェスト】
 死んだ人間を蘇生させる方法を研究するハーバード・ウェストと、彼の研究に魅せられた語り手は研究の果てに死体を蘇生させる薬品を開発するが、死体を蘇生させるには欠損のない完全な状態の肉体と一切腐敗が進んでいないことが条件で、その条件の厳しさゆえに何体かの名状しがたい化け物が生み出される、という内容。
 薬品によって死体を蘇生させる、という内容は全集4巻に収録されている【冷気】との共通点が多い。しかし作品解題によると依頼されて作り上げた作品のようで、恐怖演出が露骨すぎてラヴクラフトらしくない作品。


【ダニッチの怪】
 ダニッチの村に生まれた、通常の三倍近くの速度で成長するウィルバー・ウェイトリィを中心とした一連の出来事の話。
 ヨグ=ソトホースの召喚や視認できない怪物にそれを撃退にしようとする人間等、【インスマウスの影】や【クトゥルフの呼び声】のようによりクトゥルフ神話に近い作品。
 前述の二作品にも言えることだが、『わかりやすくて読みやすい』。これに尽きる。この作品がクトゥルフ神話の元になっていると言われれば大いに納得できるのだが、ラヴクラフトの作り上げた宇宙観を善悪の二元論に劣化させたダーレスには疑問を抱かざるを得ない。
 しかしまぁ、人間との子供をこさえて顕現しようとしたヨグソトさんは意外と俗物染みているというかなんというか。人間に近いけど本来人間としてありえないもの(例を挙げるなら、火傷で原型を留めないほどに顔が崩れた人等)に対して人は何よりも恐怖心や嫌悪感を抱くから、怪奇小説としては王道なのかもしれない。
 



ラヴクラフト全集〈5〉 (創元推理文庫)ラヴクラフト全集〈5〉 (創元推理文庫)
(1987/07/10)
H.P. ラヴクラフト

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