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黒死館殺人事件 (河出文庫)

 日本三大奇書第二の刺客【黒死館殺人事件】があらわれた。

 この作品は、刑事弁護士・法水麟太郎がとある館で起きた殺人事件に赴くところから始まるわけですが。
 色々と端折って最終的な感想を述べると「なんじゃあこりゃあ」な作品でした。ここまで推理を外す探偵が他にいただろうか。
 この作品、ゲーテ作【ファウスト】を始めとした文学作品等々からの文章を引用しており、登場人物達も何故かそういった文章で心理戦を繰り広げていたりして、読んでいるこちらとしては「なに言ってんだこいつら」な状態に陥るわけでして・・ 
 それ以外にも占星術、宗教学、紋章学等と探偵小説に全くもって必要ないであろう知識がわんさか登場し、この作品のややこしさを加速させている。
 むしろそういった過剰装飾具合が主題でもあるかのようで、探偵役である法水君もそういった学識云々に傾倒しまくっていて、証拠品集め等の所謂一般的な『探偵物はこうである』というイメージに則った行動をしない。
 多少の実地調査なども行っていはいるが、基本的にそういった行動は名もない刑事にまかせっきり。本人は先ほども書いたように言葉遊びで容疑者達との心理戦を繰り広げては、持ち前の知識で唐突に不可思議な殺人の仕掛けを見破ったり、ある容疑者に向かって「お前が犯人だ!」といったようなのことを仄めかしが実はハッタリだったり、ドヤ顔で謎解きをしてみれば次の瞬間には推理を覆されるような進展が起こってションボリしたり・・
 というかこの探偵、一度真犯人を指摘しているのだが、大した理由もなく撤回しているのである。意味が分からん。

 ところで日本三大奇書は、他に『日本アンチミステリ三大巨編』等とも言われており、そう言われてみるとドグラ・マグラも一連の事件を起こすきっかけを作った人物を探し出す内容だったわけで・・ つまり、これらの作品は「ミステリーのようでありつつミステリーでない」作品なんだそうだ。
 この【黒死館殺人事件】も、認識の不完全性や多様性というものが主題なんだそうだ。『宗教が信者を作るのではなく、信者が宗教を作る』という感じなのだろうか。まぁこれは最近自分が思いついた言葉であって具体的な意味の説明はちょっと面倒なのだから説明しないが。


 この作品の登場人物達の不完全性・多様性は果たして現実的だと言えるのだろうか・・ どうもそういった範囲の度を越しているように思えるのだが。





黒死館殺人事件 (河出文庫)黒死館殺人事件 (河出文庫)
(2008/05/02)
小栗 虫太郎

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