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クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

 一昨年前、会社が破綻したことにより失業者となっていた藤木芳彦は、地球上のものとは思えない奇妙な風景の中で目を覚ました。何故、どうやって、ここにきたのか思い出せず、目を覚ました場所には少しの水と食料と、携帯ゲーム機とそのゲームソフトだけがあった。
 電源を入れたゲーム機の画面に表示されたのは、『火星の迷宮へようこそ』という言葉。続いて表示されたのは、『ゲームは開始された』という言葉と、その『ゲーム』のルールの説明だった。
 目が覚めてすぐに出会った女性、大友藍と共に支持されたチェックポイントに向かった芳彦達は、第一のチェックポイントで更に7人の人間と出会う。
 第一のチェックポイントでは、『食料』、『サバイバル道具』、『武器』、『情報』へと至る道が示される。この場に集った九人はそれぞれの求める道へと進み、芳彦と藍は『情報』を求めて北の道へ向かった。第二チェックポイントで数々の情報を得た芳彦達は、ここがオーストラリア大陸北西部、西オーストラリア州キンバリー地区のバングル・バングル国立公園だということや、この土地での食料の入手方法。そして、『食料』を選んだ先にあるビールとビスケットがなんらかの罠であるということを知る。
 それぞれの道を選んだ彼らは一度情報を交換し、再び各々の選んだ道を進み始める。かくして、誰が仕組んだのかも知れぬ、一人が生き残るまで続く過酷なサバイバルゲームが開始された。




 そんわけで文庫的にはホラーらしいです。
 実際に読んでみた内容は、土橋真二郎が書くような、所謂『ゲーム系』といった感じの内容。突然理不尽な状況に置かれた登場人物達、正体のわからないゲームを企画した者達の存在、他者を出し抜き蹴落とすことを余儀なくされる等、共通点がかなり多い。というか、こういうタイプの小説の王道ど真ん中ですねコレ。ゲーム参加者を装った主催側の人間が紛れていることも直球すぎて「知ってた」と言わざるを得ない。
 基本的には主人公とヒロインがチェックポイントで得た情報を活用してサバイバルするお話で、後半は食人鬼と化した二人組みから逃げ回る、という風に物語が進む。雑学知識が多く紹介され、場面ごとに緊張があり先の展開が気になるいい本だったのだが、欲を言えば主人公達以外の登場人物に焦点を合わせた話や、お互いがお互いを牽制しあい出し抜こうとするような展開が欲しかった。最終的に逃げてるだけだからなぁ・・
 主人公が妙にお人よしで、パートナーになったヒロインにアレコレとアドバイスされて行動する、というのも王道中の王道だよね。冷静で狡猾な人間が主人公でもいいじゃない、とは思うがそれだと話を盛り上がらせ辛いんだろうなぁ。また、大抵の小説作品に共通しているが、ヒロインの女性がほぼ必ず主人公のパートナーになった挙句に恋心を抱く展開も食傷気味である。男性と女性のロマンスってのはてっとり早い物語の水増しになるから、作者的にはやりやすいのだろうなぁ。読者的にも、男性同士でロマンスされたら困る。
 
 そんなわけで、それなりに面白い本でした。土橋真二郎作品と違ってこの舞台が用意された理由が明言されているのも良し。まぁ、一番わかりやすい定番中の定番な設定だけど。





クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)
(1999/04)
貴志 祐介

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