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旅のラゴス (新潮文庫)

 【パプリカ】や【時をかける少女】等、数多くのSF作品を作り出した筒井康孝の、17年ほど前の作品。
  牧畜民族のムルダム族、人の思い受けべる理想の顔を描く絵描きや壁を抜ける男と出会い、時には奴隷にもなり、やがて訪れた南の村でなぜか王様に祭り上げられ、様々な人々との出会いや別れを繰り返し、そして、かつて出会った少女の面影を求めて北の果てへと旅立って行く。そんな、(おそらく)地球でない星を舞台に、かつてその星に降り立った人々が残した書物が保管されている南の村を求めて、ロリコンの青年ラゴスが旅をするお話。
 複数人で集まって意識を集中することで遠い場所に移動したり、他人が考えてることを絵として認識できる人や、人の言ったことをその人の全く同じ声や抑揚で記憶・再生できる人などファンタジー方面の要素が強く、旅の過程で通ったそれぞれの場所での人との出会いで出来事といった物語が富んでいて飽きることがなく、かと言って過激な展開や激しい動きがあるわけではないのでのんびりと読めるいい作品だった。
 
 旅をする物語なのに奴隷になった途端に七年が経過したり、たどり着いた目的地で五年かも引きこもっていたことには流石に苦笑い。
 先人の残した本を読み漁った主人公が、故郷に帰ってから友人に小説の紹介をする際に、『後期の作品になってくると、そもそもそれを理解できなかった私が紹介するのだから、彼らにも理解できぬものが大部分だった』という文章があるのだが、この『後期の作品』というのを『とにかく萌え要素だけに走った最近のライトノベル』という風に解釈すると、ほのかな笑いがこみ上げてきたりもする。まぁ、この作品ができた頃にはその手の作品群なんて無かったわけだから、作者がソレを意図して書いたわけではないのだけど。しかしその反面、出てくる女性がその手の作品に出てくるような『そういう』ツボを押さえているようにも思えて、時代の先駆けを感じたりもする。




旅のラゴス (新潮文庫)旅のラゴス (新潮文庫)
(1994/03)
筒井 康隆

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