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恐怖の谷 (新潮文庫)

 長編シャーロック・ホームズシリーズ四作目【恐怖の谷】でして。
 ある日、ホームズ宛に一通の手紙が届く。暗号で書かれたその手紙には、ある金持ちに危険が迫っていると書かれていた。しかし手紙に記されていた人物、ジョン・ダグラスは既に殺害されていた。

 というような内容なのだが、全体の半分の時点で既に謎解きが行われ、後半からは全く関係のないかのような別の物語が始まってしまった。
 【緋色の研究】でも同じようなやり方をしていたが、正直これはどうかと思う。一応は今作の事件が起きる原因となった過去の出来事の話で、『物語を深く知る』という意味ではとても重要であるとは思うのだが、自分としてはページ数を存分に使った事件の発生・調査・解決という内容を求めているわけでして。
 そんな面でページ半分も使っているせいか、推理面でも随分とお粗末な内容。あまりの不自然さに早い段階で事件の全容の予測がついてしまう。いかにも黒幕感を漂わせているモリアティ教授という人物にしても、最初と最後に名前が出てくるだけで、色々と肩透かしを食らったような気分だ。
 後半の過去話に関しては、全く別の本だと思って読めばそこそこ面白い内容だった。
 しかしなんだ。ホームズシリーズ自体が『推理小説』というより『探偵小説』と考えて読んだほうが良かったかもしれない。




恐怖の谷 (新潮文庫)恐怖の谷 (新潮文庫)
(1953/08)
コナン・ドイル

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バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)

 シャーロック・ホームズ長編三作目、【バスカヴィル家の家】を読了しまして。
 名家バスカヴィルの当主 チャールズ卿が死亡し、ヘンリ卿が家を継ぐことになる。そのヘンリ卿の元へ届いた脅迫状めいた手紙や、ヘンリ卿の後をつける謎の人物、そしてバスカヴィル家に呪いをもたらすと伝えられている魔の犬の姿まで目撃さて、ワトスン君は心労に陥るのだった。その頃ホームズは別の仕事に取り掛かっていた。そういうお話。

 探偵が物語そのものをほったらかして別の事件に取り掛かっているような推理小説が他にあっただろうか? そんなわけで本作はワトスン君がホームズに当てた手紙、もしくは日記が文章の締めています。と思ったけど70ページ程度だったので前言を撤回します。文章に大した差異があるわけでもないし。
 殺人事件を調査して解明する。といった推理小説の基本的な内容ではないが、本筋とは別にいくつかの出来事が絡まってややこしくなっているのをひとつずつ片付けていく、といった感じ。ホームズはホームレスしているのでワトスン君が大活躍します。
 色んな出来事が次々と起こるので、いい感じに楽しめる本だった。少し変わった土地が舞台で冒険小説のような雰囲気もあるので、それの影響もあるのだろうか。ホームズ長編の前二作よりも面白かった。
 そんなわけで次はホームズ長編シリーズ最後の作品、【恐怖の谷】を読もう。





バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)バスカヴィル家の犬 (新潮文庫)
(1954/05)
コナン・ドイル

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四つの署名 (新潮文庫)

 これといった事件もなく、今日も怠惰にクスリをキメる薬物中毒のシャーロック・ホームズとその友人ワトスン君。ある日彼らの元にメアリー・モースタンという名の美しい婦人が訪れる。
 十年前、彼女の父はインドから帰国してそのまま消息を絶った。それから四年後、彼女の元には毎年決まった日に高価な真珠が送られてくるようなる。そして今朝、真珠の送り主から呼び出しの手紙が届いた。モースタン嬢は手紙に記された場所への同行をホームズ達に依頼したのだ。
 手紙に記された場所から馬車に乗り、ついにたどり着いた真珠の所有者は、しかし既に殺されたいた。そして、彼の傍らには四人の名前が記された紙切れが残されていた。



 そんなわけでホームズの長編二作目です。まさかの探偵がヤク中設定。こんな探偵がかつて存在しただろうか? いや、探偵物の元祖とも言える作品なのですが。
 上記の通り、美人に唆されて若干盥回しにされつつもたどり着いた場所で探していた人物は既に殺されていたーって話です。しかしなんだ、語り手が事件の過程で知り合った女性と結婚するのは探偵物の鉄則なのだろうか。ポアロとこれくらいしか知らないが、ただの友人であるヘイスティングズ大尉ならともかく、同居人であるワトスンが結婚してしまったら物語が続かないのではなかろうか。・・・というよりアガサ・クリスティーがホームズを参考にして作り上げたのがポアロシリーズなのだろうか? しかしこの共通点の多さは最早パク・・いやなんでもない。
 殺されても仕方ない的な設定の推理物は昔からあったんだなー、と言う感じで本日のまとめとします。ホームズシリーズの長編は後二冊しかないので、せっかくだから残りの二冊も読んでしまおう。短編集は知らん。



四つの署名 (新潮文庫)四つの署名 (新潮文庫)
(1953/12)
コナン・ドイル

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緋色の研究 (新潮文庫)

 ロンドン大学で医学博士の学位を得たワトスンは、軍医補として出向いたインドで銃撃を受けて負傷、更には腸チフスに罹り、療養のため自国に帰還。ロンドンにて下宿を探す際、知人の紹介でシャーロック・ホームズと出会い、彼と居住を共にする。
 このシャーロック・ホームズ、文学・哲学・天文学の知識を一切持たず政治にも疎い。その癖、化学や毒物についての知識は深遠を極め、今世紀に起きた恐るべき犯罪の全てを詳細に知り、ヴァイオリンを巧みに奏する大変な自信家。という一風変わった人物であった。
 ある日、ホームズのもとへ『奇妙な事件が起きたので力を貸して欲しい。』という内容の手紙が届く。ホームズはワトスンと共に、事件の起きた空き家へと向かった。


 古今東西名探偵といえばこの人であろう、推理物において世界的人気を誇るシャーロック・ホームズシリーズ第一作。
 誰も住んでいない空家で身なりの良い紳士の死体が発見される。室内数箇所に血痕はあるが死体に外傷はないという奇妙な事件を前に、ホームズの超人的な推理力が展開されるという内容。
 とてもシンプルに推理物をしていて非常に読みやすい。事件発生までが早く、それ以降もあっちへ行ったりこっちへ行ったりということがないので一息に読めるのも良い点かと。これを読んだあとだと、むしろアガサ・クリスティーの作品がごちゃごちゃしすぎているだけのような気もしてくるが。
 やたらと自信家というのはこの手の作品における一種の法則なのだろうか。まぁ、自身がない人間に探偵役は務まりそうにもないが、しかしホームズは探偵稼業をする為に作られたような(その通りだが)超人的な人間だ。探偵に情報を提供する役の警察が二人いるのも自分のしる限りでは珍しい。そしてワトスンなにもしない。
 読みやすい内容っていうのは推理物において重要な要素だなと改めて認識できる作品だった。アガサ・クリスティーの本は面白いことは面白いが、中盤あたりから謎解きが始まるあたりで飽きてくるぶっちゃけめんどry。



緋色の研究 (新潮文庫)緋色の研究 (新潮文庫)
(1953/05)
コナン ドイル

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牧師館の殺人(クリスティー文庫)

 普段は静かな田舎村セント・メアリ・ミード村の牧師館で、嫌われ者の老退大佐が殺される。
 すぐに若い画家が自首し、誰もが事件は解決したと思ったが、殺害された大佐の妻が「自分が殺した」と名乗りでる。
 巧妙に仕組まれた計画といくつもの偶然が重なった一連の事件に、鍛え抜かれた観察力と洞察力を持つミス・マープルの目が光る。



 そんなわけで、アガサ・クリスティーの小説であり、マープルシリーズの一作目の本作。
 いくつもの出来事が重なって複雑化した事件の謎を求めて、語り手役の牧師が噂好きの婦人連中に振り回されつつも、刑事達とあっちこっち走り回りながら妻との絆を深めたりしつつ、探偵役のミス。マープルは特に何もしていなかった。という感じで。
 ポアロと違ってその手の地位の無い一般人であるからか、本当にマープルは出番が少ない。やっていることと言えば自宅の庭先で通りかかる人を眺めたり人が持ち込んだ話を聞いたりといった程度で、正に安楽椅子探偵そのもの。
 ポアロ作品に比べて軽めで読みやすい印象があるのは、舞台が田舎だからなのだろうか。登場人物もユニークな人が多くて楽しい。愛想も口も悪くて料理も下手だけど主人夫婦に一生懸命尽くそうとするメイドなんて、アガサ・クリスティーは時代を先駆けている。
 脇役が多すぎて何がなんだかわからなくなるのは欠点だろうか。何度も名前が出てきて犯人じゃないかと疑われるのに一度も出演していない人物とかいるし。
 さて、今作は一度自首しつつもいくつかの工作をすることで早い段階で容疑者から外れる、という割とよく聞くような方法だったわけですが、そろそろ犯人の意外性に新鮮味を感じなくなってきたなー、といった感じで一つ。




牧師館の殺人(クリスティー文庫)牧師館の殺人(クリスティー文庫)
(2011/07/08)
アガサ・クリスティー

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